公開中の作品から、文化部映画担当の編集委員がピックアップした「シネマプレビュー」をお届けします。上映予定は予告なく変更される場合があります。最新の上映予定は各映画館にお問い合わせください。
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「関心領域」
ナチスの暴虐ぶりを題材にした映画は数多い。ジョナサン・グレイザー監督は、実話を基に、あえて「見せない」手法で、人が悪意なく地獄を作り出せることをまざまざと描き出した。カンヌ国際映画祭グランプリ、米アカデミー賞国際長編映画賞など受賞。
ポーランド。ドイツ人のヘス一家は幸福だった。将校の夫、ルドルフ(クリスティアン・フリーデル)。庭の手入れに夢中な妻、ヘートヴィヒ(ザンドラ・ヒュラー)と元気な子供たち。
だが、壁の向こうは、ルドルフが所長を務めるアウシュビッツ収容所であり、ユダヤ人を殺害する銃声が響き、死体を処分する焼却炉が煙をまき散らしていた。
直接の暴力表現はない。ただ、遠くの銃声やくぐもったうめき声、草木越しに見える人影が提示される。一家には、ユダヤ人の苦しみは関心の外なのだ。
彼らは悪魔だったのか。劇中で陰気な焼却炉の音が流れ続けるが、途中で慣れている自分に気づく。ヘス一家も同様だったのだろう。人は自ら作った地獄の隣で幸せに暮らせるのだ。恐怖が心を締め付ける。米・英・ポーランド合作。
24日から全国公開。1時間45分。(耕)
「帰ってきた あぶない刑事」
〝あぶ刑事〟、8年ぶりの8作目だ。38年も前のテレビドラマから始まったシリーズ。主人公の刑事コンビ、タカ&ユージを演じる舘ひろしと柴田恭兵は古希を過ぎた。
だが、今回も舘はバイクからショットガンをぶっ放し、柴田は横浜の街を全速力で駆け抜ける。そして、軽妙洒脱な作品の世界観は揺るがない。
これほどスタイルを確立させたコンテンツは、日本で類を見ない。ぶれないことが、あぶ刑事が愛され続ける大きな理由だろう。また、配信が普及して海外ドラマを見慣れ、あぶ刑事は〝型破り〟ではなく、これが世界標準だったと気づくはずだ。ヒロインの土屋太鳳も世界観にうまくはまって魅力的だ。
24日から全国公開。2時間。(健)
「母とわたしの3日間」
「三日月とネコ」
===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.sankei.com/article/20240524-RJA7WERGAJK6JGBOPJC35MFPOI/
引用元: ・【映画】 壁の向こうはアウシュビッツ 地獄の隣の幸福な一家「関心領域」ほか3本 [朝一から閉店までφ★]
こんな映画公開してる場合かアホ
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